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第19章 交差する縁

「それで…あの時に聞いた理由は今も同じなのですか？」
「えぇ。私にはお嬢様が居ります故、誰ともお付き合いするつもりはございません。」
「でも、私はこれ以降に愛良ちゃんのメイドにもなる覚悟が…」
「必要ございません。私がずっと就いておりますので」
「でもそうしたら黒野さん結婚できないじゃないですか」
「構いませんよ。」

そういいギシリと座り直した。そのまま黒野は続けた。

「私の元には誰よりもすてきな女性がずっと居て下さいますので。」

そういうとそっと立ち上がった。時間はかなり短かったものの黒野の気持ちは伝わっていた。そのまま手を指し伸ばして呼ぶ。