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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
そんな風に途方に暮れながら、コンビニに入店以来――既に五分が経過していた。
「すいませーん」
「あ、只今――」
い、今だ!
他の客の会計で店員がレジに向かったタイミングで、僕は元の棚に素早く戻る。そして、とりあえず一番無難そうなデザインのパッケージを選び、それを手にした。
ヨシ、後は買うだけ。別に、簡単じゃないか……。
と、思いつつも、僕はレジに向かう途中で、また二の足を踏んでいる。
アイツこんな時間にコレを買う為だけに来たのとか、あの店員は思うのかもしれない。いや、別にどう思われようが関係ないのだけど……。
それでも他に何か買う物がないかと、僕は再度店内をうろついてみる。他の商品で、カモフラージュしたい気分は山々。でもコレ(避妊具)と食べ物や飲み物を一緒に購入するのも、違和感がハンパない気がした。
そんな、試行錯誤の末に――。
あ、じゃあ――アレなら、どうだろう?
僕は思いつきで、一度も買ったことのないその商品を手にすると、ついにレジへと向かう。