この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エブリデイ
第3章 意識した瞬間から

 辛うじて盛り上がりつつあったムードみたいなものを、自分たちで何度もクラッシュしながら。

 それでも、真面目にふざけ合っている感覚。二人はいつものように、話す言葉を止めようとしない。


 きっと、僕も寺井も――黙ってしまうのが、怖かった。


 昨日までは、こんなことが現実だとは思わなかった。恋愛とかセックスとか、別の世界のことみたいだったから。僕は自然とそんなものを、とても遠くに追いやってしまっていたのだろう。

 でも、こうして肌を触れ合えば、わかる。すぐ近くに、実感している、から。

 だからこそ、例え変だと思われてしまっても、構わないと思う。僕はこれが『別次元』なのではなく、『日常』の中で起こってることだと、確かめていなければいられなかった。


 たぶん、それは――寺井も同じ気持ちで。


 とても不器用な二人が、互いの『日常』を見失わないように見張っている。「怖い」といった理由は、おそらくそんな感じだった。


 見つめ合って確かめれば、それでだけでいい――だ、なんて。世の中に溢れたラブソングたちは、何時でもそんな風にメロディーを奏でてゆくのかもしれない。

 だけど散々耳に鳴ったそれらのフレーズは、僕たちのリアルではなくて。だから、無粋でカッコ悪くても、いいと思った。


 だって、これは疑いようもなく――僕と寺井夏美の――リアル――なの、だから。

/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ