この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
「イタタタ……」
仰向けに寝そべる僕を――
「あのさ」
「え?」
いつの間にか戻って来た寺井は、上から見下ろして言った。
「ホントは、私だって――聞きたかったよ。君の言葉」
「僕の……言葉って?」
見上げてそう訊き返すと、寺井はとても不機嫌そうな顔。
「あっそ……やってしまえば、それでいいと? 結局は身体だけが、目当てなのだね。ふーん……よーく、わかった」
「ち、違う。急に言われたから、ちょっとボーっとしただけだし」
僕は身体を起こすと、まだ思考の鈍い頭をブンブンと振った。
そう、僕には――寺井夏美に、ちゃんと伝えたい言葉が、ある。
「じゃあ、ちゃんと聞いてよね」
「……」
そうは言ってみても、睡眠でリセットされた今の気分とあの時とでは、その勢いに落差を感じてしまうのも事実だった。
それでも、何とか絞り出すようにして、僕は――
「あの――僕は、寺井のこと――」
「あ、やっぱ。今じゃなくて、いいから」
「――は?」