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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく
快感は、いつでも間違いはなくって。僕より半年だけお姉さん――綺麗な顔立ち、剰えその口の最中で。事もあろうか含み取られ、愛撫されゆく行為――少なくとも、それ自体は。
怜悧に凛と取り澄まし、背が高くスラリとして制服のよく似合う彼女の姿。それは幼き日々とは違う思春期を迎えた頃、互いに素知らぬ顔をして言葉を交わすことすらせずに、只その通り過ぎる横顔を眺めていたものだ。
そんな時を経ているからこそ、それはやはり、特に精神的な意味での格別な興奮を余儀なくされてしまう。
けれど――も。
「ううっ、あ……」
ちゅる――。
「どうかしたの?」
「こ、こんなの……嫌だっ!」
それだけで僕は、快感にこの身を委ねることはできない。
ふぅ……。
その時に漏れ聞こえていたのは、僕の我儘に飽きれたような、彼女の吐息と。
「嘘……」
それに続く、至極短い僕を非難するような言葉だった。