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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
 そもそもそんな感じで、僕が全く無自覚のままだったから、いけない。

 自分の男の部分の欲望や妄想でさえぶっちゃけて、一緒に笑って語り合ったり。そんな距離で、いつのまにか彼女は僕らの傍らにいたから。それはやはり、あまりに不用意なのだと思う。

 そんなことだから、男とか女とか――そんな意識が希薄だったのかもしれない。


 僕は男子校の出身で、大学に入るまで周りに女子なんて一人もいなかった。彼女はもちろん、女子の友達なんていたことがない。

 けど男子校だからというのは、実は言い訳だ。実際は共学であったとしても、それは同だった筈だ。オタク的な趣味に目覚めたことも、その辺りに影響を及ぼしていないとは言い切れない。


 そんな僕が今、自分の部屋で、女の子と――二人きり。


「……」


 そう、もう――認めるしかないだろう。

 僕は今――寺井夏美を――女の子として――意識している。

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