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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から

 しかし――


「うーん……やっぱ、ハズい、かも」


 寺井は窄めた両肩を抱くように、クロスさせた両腕で胸をしっかりと隠していた。

 そうしながらも、僕をチラリと見て訊く。


「やっぱ、見たいの?」


「うん!」


 珍しくはっきりとした発声で、僕はコクッと頷いた。膨らみきった欲求が、素直な反応となって表れている。

 即答する僕に、やや呆れ顔の寺井は――


「先に言っとくけど――そんなに、いいものじゃないから」


 そんなことを言いながら、渋々とした感じでゆっくりと両腕を下げた。


「――!」


 その瞬間を逃さぬように、僕はパチリと目を見開く。


 ついに僕は――寺井の胸を、目撃していたのである。
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