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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
男っていうは、どうしようもないくらい女の人の胸に弱い生物である。特に童貞まっしぐらな青春の最中にある者でなら、憧れを通り越してそれを神格化さえしかねない勢いだ。
何が言いたいかと言うと、つまりこれは決して僕に限ったことではないはずだということ。
寺井の甘い言葉に誘われるまま、前言を顧みずに両手を伸ばした。その行為に対する、言い訳と取られてしまうのも仕方がない。
「……!」
まず、ふんわり――と。
両手でその膨らみを掬い上げた時の、その感触に僕は驚いていた。
彼女が自ら、言うように。この目で穴が開くほど、見つめたように。
確かに寺井の胸は、大きくはなかった。はっきり言って、小さかった。
でもそれは筋肉とはもちろん、単なる脂肪とも違っているように思え。そう思いつつも、語彙に乏しい僕は、その触れた感触を正しく言い表すことができないのだろう。
只――その控え目な膨らみは、感動的なまでに柔らかかった。
「……」
寺井はじっと黙っているけど。少し俯いて、前髪で表情はわからないけど。
その口元からは、吐息の微かな音が漏れ出してる。
それを耳にしながら、僕は指先に少しだけ力を加えていた。