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桜舞うあの日のままで
第7章 入試
 泣き出したい思いの風香だったが、懸命にこらえる。

 そして、隣の悠に「おめでとう。よかったね」と声をかけた。

 悠は、合格した喜びを微塵も表現せず、風香に言う。

「……ありがとう……。その……」

 上手く言葉が見つからない様子の悠に、涙をこらえる風香が無理に笑顔を作りながら震え声で言った。

「ま、まぁ、私は予想通りの結果かな……。私なりに頑張ったから……仕方ないね……」

「風香、すごく頑張ってたよな……」

「今日はこれから、二人でお祝いしよっか! 遊園地にでも行かない?」

 必死で笑顔を取り繕いながら、提案する風香。

 そんな風香の様子を見て、つらそうな悠だったが、すぐに答えた。

「風香さえよければ。じゃあ……行くか」

 二人は言葉少なに、駅を目指して歩き出した。




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