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桜舞うあの日のままで
第10章 旅立ちの朝、舞い散る桜
 翌朝8時過ぎ、人でごった返した駅のホームには、悠と風香の姿があった。

 悠の両親はこの日も仕事なので、見送りには来られないという話だ。

 また、他の友人たちには、前日までに挨拶を済ませて来たらしく、見送りに来たのは風香だけだった。



 線路から程近いところには、満開の花をつけた桜の木々が並んでおり、花びらを風に乗せている。

 風に飛ばされた花びらが次々と、ホームへも届いてきていたが、悠のことで頭がいっぱいの風香は他のことには一切注意を払えなくなっていた。



 たわいもない雑談の後、悠がポツリと言う。




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