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桜舞うあの日のままで
第10章 旅立ちの朝、舞い散る桜
「今日のスカートもすごく可愛いな。こないだのピンクのもよかったけど、風香にはそういう水色も似合ってると俺は思う」

「あ、ありがとう……」

 恥ずかしい反面、嬉しくなり頬を染める風香。

 いつも新しい服や髪形のときには、決まって褒めてくれる悠だったが、今日のような慌しい日に褒めてもらえるとは期待していなかったので、喜びもひとしおだった。

 時計を見た風香は、「今、告白しないと」と思い、目を閉じる。

 しかし、悠本人を目の前にすると、言葉がどうしても出てこなかった。

 悠がまた口を開く。




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