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桜舞うあの日のままで
第10章 旅立ちの朝、舞い散る桜
しかし、ちょうどそのとき、駅のアナウンスが流れた。
電車がまもなく到着することを伝えるアナウンスが。
再び押し黙る風香に、悠が尋ねた。
「どうしたんだ、風香? 何か言いたかったんじゃないのか?」
「ううん、何でも……。ただ、『気をつけて行ってきてね』って」
風香は曖昧な表情とともに、そう言ってごまかした。
「ありがとう。今日中には、少なくとも1通はメールを打つから。新幹線じゃないし、到着までけっこう時間がかかるから、遅くなるかもしれないけどな」
「うん、待ってる」
電車がまもなく到着することを伝えるアナウンスが。
再び押し黙る風香に、悠が尋ねた。
「どうしたんだ、風香? 何か言いたかったんじゃないのか?」
「ううん、何でも……。ただ、『気をつけて行ってきてね』って」
風香は曖昧な表情とともに、そう言ってごまかした。
「ありがとう。今日中には、少なくとも1通はメールを打つから。新幹線じゃないし、到着までけっこう時間がかかるから、遅くなるかもしれないけどな」
「うん、待ってる」