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桜舞うあの日のままで
第14章 夏休み直前、悠と真奈美
 悠は吹きだした。

「またプリンを狙ってるのか! こないだは、あんなに高いプリンを平気で食べやがって! ……でも残念でした。今日はプリンはないぞ」

「でも、スイーツ男子の悠は、きっと何かプリン以外のスイーツを今日も冷蔵庫に隠し持ってるはず!」

 再び笑顔に戻った真奈美。

 悠は諦めたような笑みを浮かべて答えた。

「まぁ、たしかに、エクレアはあるけど」

「やっぱり! 悠、ありがとうね」

「もう完全に、俺のエクレアを貰った気になってるのか! まだ俺の部屋に着いてすらいないのに」

「2ヶ月近くも会えなくなるんだから、そのくらい大目に見てよ。ね、お願い」

「はぁ……分かったよ。まぁ、二つ買ってあるし、いいか」

「さすが悠! 気が利くね!」

「別に真奈美のために買ったわけじゃないんだぞ! ……ったく、しょうがないな。昼飯をおごる約束、ちゃんと覚えておいてくれよ」

「もちろん!」

 そして二人は足取り軽く、悠の部屋へと向かった。




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