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桜舞うあの日のままで
第5章 切なく寂しい風香の夏
 普段通りの声のトーンで悠本人から知らされたその事実に、風香は一瞬凍りついた。

 胸の奥が痛くなる風香は、そのとき初めて、自分にとって悠が特別な存在だったのだと気づいたのだ。



 泣きそうになってくる風香だったが、つとめて平静を装い、「よかったね」と祝福した。

 しかし悠は、照れたように笑ったあと、すぐに真顔になって「受験生だから、あまり頻繁には逢えないけど」と呟く。

 風香は深く心を痛めながらも、「きっと受験が終われば、いっぱい逢えるよ」と言って悠を励ました。




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