作者ページ

マーチンさんの日記

物語を届けるということ
[作成日] 2026-10-15 14:15:19
なぜ、物語を書いたのか。

心象風景、なかでも言葉にするには不謹慎な感情。それらを丹念に拾い、言葉を厳選し、もがき悩みながら文章を構築していく。小説を書くというのは、なんとしても誰かにこの思いを伝えようとするのと同時に、己を見つめ直す時間でもあったのは間違いない。

そのときの思いを物語という形にして残したかった。過ぎ去った時間をもう一度見つめ、自分が何を感じていたのかを確かめることだった。
その結果、今まで気づかなかった、いや、わかっていたのに見過ごしてきた感情を探り当て、新たな境地からものを見ることができた。

受賞した二作品は、どちらも実体験をもとにしたものだった。時がたっても忘れられない感情を文章にし、経験したからこそ書けた一行があった。その物語を認めてもらえた喜びは、今も心にしまってある。

作品を読んでくれる人がいた。応援してくれた方々、レビューを寄せてくれた方、審査員がくれた評価。その一つひとつが、書き続けるうえで勇気になった。
顔も知らない誰かに自分の思いが届いた。その喜びがあったからこそ、また書こうと机に向かった。
自分の経験から生まれた物語が、見知らぬ誰かの心に触れる。そのことが、何より嬉しかったからだ。

けれど、時代は変わった。

ペンがキーボードに取って代わったように、AIが発達した今、条件を入力すれば自分好みの物語を生み出すことさえできるようになったと聞く。
そうした時代の変化の中で、人間が作品を投稿し、感想と評価を通じて読者とつながる。そんな場を提供してきた投稿サイトの意義そのものが少しずつ希薄になってきたのだろう。

このサイトも役割を終える時を迎えた。そう思うと寂しいが、時代の流れに逆らうすべはないのだな、とつくづく思う。立ち上げから今日まで、運営に携わってこられた方々が、このサイトに注いできた思いには計り知れないものがある。継続を断念せざるを得なかった悔しさ、そのご心情を察すると胸が痛む。長年にわたるご尽力に、心より敬意と感謝を申し上げたい。

創作活動それ自体の意味がどう変わっていくのか、自分にはわからない。
それでも、自分の経験や思いを言葉にし、叶うことなら誰かに届けたい。そう願った日々は、確かにあった。
作品を書き上げた喜びも、読んでもらえた嬉しさも、読者からいただいたあたたかい言葉も、すべて、ここにあったのは確かだ。


日記へのコメント

流花さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

私も閉鎖を前に、こうして流花さんとまた言葉を交わせたことを嬉しく思います。またこのサイトの終わりを一緒に見届けられることにも安堵しました。
かつて、ここで一緒に活動していた皆様のことも懐かしく思い出します。あの頃は、ここで過ごす時間がずっと続くと思っていました。

流花さんとはこれまで温かいメッセージのやりとりができたこと、感謝しています。物を書く上で大きな励みになっていました。
サイトはなくなってしまいますが、ここで出会い、心を通わせた時間は大切な思い出として残していくつもりです。

流花さん、これまで本当にありがとうございました。
[投稿者]マーチンさん [投稿日]2026-10-15 19:15:32
マーチンさん お久しぶりです。

サイト閉鎖する前に、こうして日記にコメントできてよかったです。
活発に活動していた頃にともにサイトでの時間を過ごした仲間のみなさんが
この事実を知っただろうかと、とても気になっていました。
知らない間にサイトが閉鎖していた、なんて寂しすぎますからね。
だから、ニュースや日記にマーチンさんのお名前を見つけた時にはなんだかホッとしました。

サイトでの楽しい時間の共有、作品からの刺激、感動。どれも宝物です。
どこの誰かも知らない仲間に、ありがとうの気持ちを送ります。





[投稿者]流花さん [投稿日]2026-10-15 18:00:18

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