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莇 鈴子さんの作者ニュース
『琥珀色に染まるとき』レビューお礼と、くだらない語り
彩子さん
素敵なレビューをありがとうございます。ため息が出るような美しい比喩、噛みしめました。酒でも酌み交わしながら語り尽くしたい気分です。
西嶋の存在を感じてくれることも嬉しいです。現実にありそうな非現実を描きました。登場人物たちは実在しませんが、彼らはどこかで誰かとして生きているかもしれません。
再編後としては初のレビューでした。登場人物やストーリー展開の変更により、再編前のレビューと物語の内容が噛み合わなくなっていますが、すべてのレビューは消さずに残します。皆様から頂いた貴重な言葉たち、これからも読み返して執筆の糧にさせていただきます。
外から容赦なく押し寄せてくる他人の価値観と、内から溢れる自分の感情に、しばしば頭の中はもみくちゃにされます。それをうまくまとめて外に出すのが苦手な者は、発信しようとするたびに脳が擦り切れる思いがします。
だから時折、感情をおもてに晒すことを休みます。とはいえ無感情ではありません。感情を外に発散することをせず、内へ内へ隠すようにして生きている者も、感情を失くしているわけではない。なにも考えていないわけではない。心に渦巻くなにかを訴えたくてうずうずしているのです。
処女作である『琥珀色に染まるとき』は未熟の極みであり、突っ込みどころ満載の仕上がりで直すべき部分はたくさんありますが、私の書いてきた文章の中でもっとも感情的で、偏っていて、発信欲が強い気がします。なにかに突き動かされるようにして書いていたことはたしかです。
あの頃ほどの焦燥感や勢いはないかもしれませんが、今も丁寧に愚直に言葉を綴っています。
新作『滲む墨痕』――秘愛は情愛に対立し、醜愛を呼ぶ。このキーワードがどのように表れてくるかを見届けていただけたらと思います。
色々な物事に興味を持つことは、自分と異なる価値観に触れ、知ることで、偏った意識から解放されることに繋がります。自分の可能性を自分で潰すことのないよう、これからもたくさんの物事を知り、考えて、書いていきたいです。
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