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引き続きです。

　吉原には、やはり長い慣習の中で培われた吉原ならではの常識があります。

　今日、描いた中に、清五郎が花魁としてのお逸に贈った様々な
　豪勢な品々が出てきます。

　それがその一つです。

　振袖新造から水揚げされて花魁になることを
　突き出しといいますが、
　初夜の翌朝には、水揚げした女のために男が豪勢な贈り物を
　するのです。
　内容も大体、決まっています。

　以後も水揚げした初めての男は多岐にわたり、
　花魁の面倒を見てやることになります。
　当然、花魁の抱える禿などもまとめて面倒を見るので
　やはり、花魁を水揚げできるのは
　相当の財力のある男でなければならなかったわけです。

　他にも惣じまい－これは一人の客が遊廓をまるごと貸し切ること、　や
　流連「いつづけ」－客が何日も続けて、遊廓に泊まること

　など、金持ちでなければできない吉原通いならではの
　言葉が今も残っています。
　
　

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