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こんにちは。

　秀吉が珠々と出逢う前には、こんな秘められた恋もありました。
　彼にとって、若い頃にめぐり逢った少女千都は初恋とも呼べるものでした。

　生涯に数え切れないほどの女性と関係し、女好きと噂された彼ですが、
　永遠に忘れられなかったのは、実は千都と珠々だったのですね。

　何故、珠々にはプラトニックを貫いたのに、千都は強引に我が物にしようと
　したのか？
　それは二人を大切に思う心に差があるからではありません。
　一つには千都と出会った頃の彼がまだ若すぎたがゆえに、性急な行動に
　出てしまったこと。
　更には、千都を死なせてしまったことが深い悔恨となっていた秀吉だからこそ、
　珠々の意思を尊重して、敢えて無理強いはしなかったともいえます。

　あの時、珠々は亡き夫信成を一途に恋い慕っていましたし、
　既に懐妊していました。
　秀吉が無理強いすれば、珠々もまた千都の二の舞になってしまうことを
　秀吉はよく判っていたのです。


　長々と語りすぎてしまいました。
　この短編は自己満足ながら、作者も好きなお話です。
　いつかそう遠くない将来、実在の歴史上の女性を主人公とした物語りを
　固い感じではなく、やわらかい感じの雰囲気の小説として
　描いてみたいと思っています。

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