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こんにちは。

　いかにも市兵衛らしい身の引き方でした。
　もちろん、市兵衛と小紅が結ばれることは最初からあり得なかった
　のですが、今日、更新しながら、
　ふと小紅がこのまま京屋の嫁におさまったら、どうなったかな？
　と、しようもないことを考えてしまいました。
　
　とはいえ、小紅の初恋の男武平も言ったように、
　市兵衛は幾ら理想的な男でも、小紅の(一人しかいない縁の相手)
　ではありませんでした。

　さて－、余談ですが、
　今日のラストに市兵衛のその後に少しだけ触れています。
　彼はこの後、少年時代を過ごした大阪の親類筋の店の主人となりました。
　そこで、七つも上で連れ子が二人いる再婚女性と再婚することになります。
　それは恩のあった大阪の店に後継者がいなくなったため、
　彼が出戻りの跡取り娘と結婚して店を継ぐ決意をしたからです。
　こんな生き方もいかにも市兵衛らしい。
　私はそう思っています。
　彼の心から小紅の面影が消えることはなかったけれど、
　優しい彼のことだから、きっと年上の奥さんや連れ子たちも
　心から慈しんだことでしょう。
　
　どうやら、京屋の先代の大旦那も若旦那も劇的な人生を
　送るように運命づけられているようです。

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