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ディアビリア
『ご飯できたよ。さ、冷めないうちに食べて食べて。』私は美波がお腹を空かせているであろうと料理をした。彼女は『申し訳ない』という顔だったので『家族なんだから、遠慮しないでいいんだよ。』と諭した。
近藤美波
お姉ちゃんは、アタシのために肉野菜炒めを作ってくれた。めっちゃ美味しそう。独りのときは、疲れて料理作る気が起きなくて、ほぼ毎日レトルトだったから、お店みたいなちゃんとした食事は久しぶりなんだ。
近藤美波
お姉ちゃんは、『カンタンなのだけど』って笑ってたけど、ジャスミンさんに聞いたら『ホントに料理が上手で、まるで実家に帰ってきたようなカンジの素朴な味』って言ってた。ふんわり出汁の味がして美味しかった。
ディアビリア
完食できて偉いね。お口に合ったようでよかった。地球は水資源に恵まれているおかげでいろんな食材があるから、本当に住みやすい星だよ。
近藤美波
アタシは、お姉ちゃんの作ってくれた肉野菜炒めがすごく美味しくて、気づいたら箸が進んでた。お姉ちゃん、独りで何人も里子を育ててきたなんてホントにすごいんだな…
ディアビリア
こんなに笑顔で私の料理を食べてくれる顔を見たのは久しぶりだ。この尊い笑顔を守りたい。裕福な家のご子息ご令嬢が多い地球のSPDアカデミーで、優秀な成績ながらずっと独りだったなんて、本当に可愛そうだ。
ディアビリア
でも、これからは教師として、里親として、何としてもこの子を守ってあげる。そう固く心に誓い、私は美波の今後について、クルーガーとスワンに話をした。まずは全日制→通信制に転入させる手続きについてだ。
ディアビリア
あの子は私と同じトート星の血を引いているから、自らのパワーに対して制御が必要なのは本人も分かっている。私もあの子の体の傷は見てて痛々しいよ…だから…私に彼女の面倒を見させて欲しいんだ。どうかな?
ドギー・クルーガー
俺は賛成だ。今はまだアカデミーに在籍中だから、全日から通信へ転籍させる方法もある。加害者にとって、今の美波は格好の的だからな。環境が変われば、美波も落ち着いて勉学や実習に励めるだろう。
ディアビリア
クルーガーの承諾を経て、私は美波を自分と同居させることにした。SPDアカデミーは通信制でも隊員を目指すことが可能であるため、私はさっそくその提案を美波に持ちかけた。
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