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目取真麗香
私は食後、強烈な眠気で船を漕いでいた。すぐにジャスミンお姉様がおぶってくださった。背中がすごく温かい。なんて幸せなの。お姉様が作る理想郷、ずっとこうされてたい。
ジャスミン
まだうとうとしてる麗香ちゃん、ホントにカワイイ。笑顔も泣き顔もぜんぶ見てみたいわ。痛いのも怖いのもみんな忘れて、幸せにしてあげたい。みんな、今日もいっぱいとろけさせてあげるからね。
EP.3 美波の呪縛
近藤美波
相変わらず、ジャスミンさんの背中におぶられ、気持ちよさそうに寝ている麗香さん。安心感からか、まどろみを感じている姿がホントにかわいい。
近藤美波
アタシは深夜3時ごろ、虐められている夢にうなされていた。お姉ちゃんのペットのVipers(ヴァイパーズ)の1匹であるオレンジのペールちゃんが寄ってきて耳を舐めた。英語で毒蛇の意味だけど、毒はないよ。
近藤美波
ペールちゃんのおかげでぐっすり眠れた。テレビを付けて朝のワイドショーを観ていると、さっそくアリエナイザーの事件のニュース。ないている赤ちゃんのそばには、虚ろな表情をした親らしき大人の姿が映っていた。
近藤美波
映像が切り替わり、さらに体の大きな子供には、『アンタなんか産まなきゃよかったのよ!』なんて暴言。どうやら育児放棄をさせ、精神を子供に戻し、遊び場と称した自分の作った異世界へ連れ込んでいるヤツのようだ。
近藤美波
親から子供を奪うなんて許せない!美波はテーブルをグーで強く叩いた。すると、さっきまですやすや寝ていた麗香さんがギャン泣き。そっか。麗香さんは今5歳だった!『よしよーしごめんね、怖かったね』
ディアビリア
すると、まだ朝の8時台だというのに、けたたましくお店のドアをノックする音が聴こえる。下を覗いてみると、常連客の家族の子供が泣きながらドアを叩いていた。『こんな朝早くからどうしたんだ…』
ウメコ
アタシは1階に降りドアを開けた。何事かと質問しようとするも、泣きじゃくってぜんぜん聞き取れない。アタシは子供を慰めるため、まだ余っている食パンでフレンチトーストを追加で作ってあげた。
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