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近藤美波
目の前のアリエナイザーは、ムショで話すから許してくれって泣いてた。メカ人間が全部やられて、抵抗する手段がないのに、アタシは『金でも詫びでも何でもするから』と泣いてたのを刺そうとした。『許さない!』と。
ホージー
俺は部下二人も呼んで、大人3人で仰向けに美波を押さえつけ、マシンブル(パトカー)に乗せた。オレたちも美波の話は知っているから、気持ちは分からなくもないが、勝ち負けだけに拘ってちゃ、美波が犯罪者になる。
ドギー・クルーガー
『美波!やりすぎだから止めろと何度言えば分かるんだ!』私も嗜めたが、勝てなきゃイヤだの一点張りで全く言うことを聞いてくれない。ホージーも言っていたが、俺達がやってるのは戦争じゃない。治安維持だ。
ドギー・クルーガー
戦争なら、周りは敵だらけで、友軍がいつやられるかも分からないから、勝つのに必死になる。だが警察官は違う。人々が安心して日々の暮らしができるように、安全を守ることだ。犯罪者を『倒す』だけじゃない。
ドギー・クルーガー
美波、私は君の力を、みんなを守るために使って欲しいんだ。例えば、市民の避難の確保のために、メカ人間を倒すとかな。ホントに倒していいのは、デリート判定が出ている、殺戮や残虐行為を愉しむ凶悪犯だけだ。
近藤美波
私が倒そうとした犯人は、宇宙最高裁の判決の結果、禁固刑100年だとのこと。内戦で親や親族を殺され、悲しかったみたい。かわいそうに。でも、明確な殺意はないとして、禁固刑ですんだんですって。
センちゃん
美波、強くなりたい気持ちも分からなくはないよ。だけど、犯罪に走ってしまう者の心の奥には、悲しい経緯を持った人も多いからね。更生の可能性がある者にまで無条件に殺して、殺すことが楽しくなっちゃ意味ないの。
近藤美波
アタシは、センさん(ウメコの旦那)にも諭され、ようやく、なんで自分のしたことがいけないと言われているのか、納得できた。スワンさんの入れてくれた紅茶を飲んで落ち着いていると、お姉ちゃんから連絡が来た。
ディアビリア
美波、デカベースで保護したって?ホージー、セン、迷惑かけてごめんね。
センちゃん
ディア、久しぶり。美波ちゃん、落ち着いたよ。今日お店空いてる?久しぶりに君の料理食べたくてね。
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