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近藤美波

アタシは、言葉の意味が分からなくてきょとんとしてたけど、お姉ちゃんのほうがすごく驚いていた。『許嫁って…冗談だろう？今どき時代錯誤じゃないか。麗香のところみたいに名家じゃないんだからさ。』

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さらにホージーさんは『美波の暴走を独りで止められるのはアイツだけだ。2on2での模擬戦もGoodコンビネーションだったからな。アイツのことを支えられるヤツが必要なんだ。』と。拓也は終始唖然としてたよ。

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ホージーさんの公認で、許嫁どうしとなったアタシと拓也。体術での模擬戦は本当に楽しくて、あっという間に時間が過ぎていったの。けど、それを快く思わない者たちがいたのよ。そう。アタシを苛めた上級生。

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『拓也くんといい関係だそうじゃない。候補生のクセに特キョウの正規隊員といちゃついてんじゃないわよ！』出会いがしらで肩越しにぶつかられたり、トイレの個室に入ったところに、バケツの水を上からかけられたり。

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｢あっはは！庶民がいい気味！｣と爆笑する加害者の上級生。アタシは着替えも持ってなかったから、びしょ濡れのまま教室に戻ろうとした。するとすれ違った先生から驚かれ、保健室で体を拭かせてもらった。

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例の上級生は、座学では大人しくしていたが、前の人から手紙を回されたのでこっそり開けたら画鋲が入ってたの。席を外している間にタブレット端末の画面が粉々に割られて授業が受けられないこともあったわ。

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こんな状態でも、アタシは我慢していたけど、財布から昼食代のICカードが抜かれたときはぞっとした。ふつふつと怒りが湧き、上級生のところへ直行。直接手は出さなかったけど、瞳の赤いアタシを見て逃げたみたい。

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しばらくしてストレスのせいなのか、食事をしてもすぐに吐いたりすることが多くなったの。別のクラスとの合同での体術の授業中に気分が悪くなったときもあって。見かねた先生が早退させてくれたこともあった。

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例の上級生のやっかみからか、『先生たちは美波にだけ甘い』と根も葉もないウワサが広がり、ゴツそうな体格の先生にワケもなく『クラスメイトへの暴行』との理由で呼び出されて怒鳴られたりしたこともあったわ。

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アタシはそれでも耐えていたけど、ホージーさんを始めドギーさんの知り合いのSPDは、アタシのカラダのアザについて気にかかってたみたい。お姉ちゃんのおかけで通わなくても勉強できるようになったのは安心した。