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ディアビリア
児相の者たちが自宅を訪ねたとき、親本人は、虐待を悟られたくないため、子供と仲睦まじい様子を見せることもある。そのため、『親子関係に問題なし』との判断で、『様子見』と称して見過ごされることも少なくない。
ディアビリア
ある日私が道を歩いていると、刃物を持った親に怯え、子供のすすり泣く声が聞こえてきた。音を聴く限り、包丁を持った親から逃げ、押入れに篭っているよう。いてもたってもいられず、その場で助けに入った。
ディアビリア
いや、助けに入ったというより、無理やり連れ出した。誘拐の罪により、クルーガーの命により私は逮捕された。虐待についても質問されたが、体にできた痣の形で「私が加害者ではない」と分かってもらえて安心した。
ディアビリア
子供たちから話を聞いたSPDの隊員が、不自然な位置にある大きなアザに気づき、遊んだはずみでのケガではないと察した。親から体を蹴られたとの子供の証言により、親は虐待容疑でこの星の警察に逮捕されたようだ。
ディアビリア
私は、本部長官のヌマ・Oの計らいで、体術の教師となる。クルーガーの話から、『優秀な生徒だが、一部の生徒に酷く妬まれている者が居る』との話を聞き、顔合わせも兼ねて私は久しぶりに地球署を訪ねたのであった。
近藤美波
『先生おまたせ!あれ?どうしたの?せんせ?せんせ?』アタシは着替えと帰る準備を済ませたから声を掛けたんだけど、ボーッとしてるみたいで聴いてないや。だから後ろから脅かしたの。
ディアビリア
『うわっ!びっくりするじゃないか。準備が済んだのか。ごめんごめん。ちょっと考えごとしてたんだ。じゃあ、行こうか。』私は駐車場に向かい、車の助手席に美波を乗せた。『ベルト締めるの忘れずにね。』
近藤美波
車を走らせ10分ほど経つと、いつものスーパーが見えた。店内に入り、独りのときのためにレトルトを買っておこうと、インスタント食品のコーナーへ向かおうとしたら、先生に急に腕を掴まれたの。「こら、ダーメ。」
ディアビリア
『いつも出来合いのばっかり食べてたの?ストック用のメニューも私が作るから。警察官の卵たるもの、栄養管理もちゃんとしなきゃね。私が体調悪いときのこと考えてくれてるようだけど、心配無用。』
近藤美波
『だって、体調悪いとか…。』「大丈夫。」アタシの考えは、先生には何もかもお見通しだ。ジャスミンさんも、触れるだけで思念が読める能力を持ってるけど、先生の場合は触れなくても相手の心の声が聴こえるみたい。
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