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　乱世の世、人は魔と隣り合わせに生きていた――

　妖怪を退治した者に、娘を嫁がせる。そう募集した大谷吉継の立て札により、毎日を目的もなく過ごしていた真田家の人質、真田信繁の運命が「幸村」という偽名と共に変わっていく。

　代々神主として退魔の力を持つ片倉小十郎、そしてその主である奥州の大名、伊達政宗。

　野心のために忍びの里を抜け、単身大谷屋敷に現れた、妖魔使いで伊賀忍者の霧隠才蔵。

　退魔刀を作る父を持ち、自身も退魔の力を持つ吉継の古い友人、加藤清正。

　同じく吉継の古い付き合いである加藤嘉明の家臣で、自称最強の退魔師、塙団右衛門。

　そして「妖怪一の美女狐」玉藻前を宿し、父・吉継のため自らも戦いに身を投じる娘、和紗。

　幸村は玉藻前の力を増幅するための『餌』として、和紗や彼らと共に、日ノ本を闇の力で支配しようと企む妖魔達に立ち向かう。



　このお話は、完全なる和風ファンタジーです。実在の武将の名前をお借りしていますが、当然ながら全てがフィクションです。時系列もかなり歪んでいますので、史実が気になる方はご注意ください。