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　時代は天正五年、能登の地にて。名もなき村に住む美しい姉妹、大海と小夜は、羽柴秀吉により拐かされて近江は長浜城へ連れていかれる。

　小夜は秀吉の相手に、そして大海は秀吉が育てている子飼いの若い武士達へと下げ渡され、純潔を悪戯に奪われた挙げ句に一晩で三人もの男を受け入れる事になる。

　乱暴だが根は優しい市松、頼れる兄貴分の虎之助、無口だが気の強い孫六。

　横柄だが真面目な佐吉、飄々として食えない行長、包容力のある吉継。

　さらには秀吉の軍師である半兵衛、秀吉の弟・秀長に仕える高虎と、子飼いだけではなく、長浜城には未来ある武士が集まっている。

　子飼い達により大海は自分でも知らなかった性の喜びと、気付いていなかった心の空洞を埋める温かな恋を経験していく。



　このお話は、まだこの年に秀吉の家臣でない小西行長が羽柴家にいたりと、大分史実と異なる部分があります。また、歴史上の武将のお名前を使わせていただいていますが、当然史実の彼らとは全くの別物です。

　また、字、諱、幼名と作中で人により大分呼び方がバラバラですが、それもあまり気にせず読んでいただけたらありがたいです。

　作品の一部に（メインではありませんが）女性同士の絡みもありますので、苦手な方はご注意ください。