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藍子という娘
第6章 ■父娘ではなくなる
洋二は返事を返すことができなかったが、そのまま藍子の体を抱きしめた。
お互いに強く強く抱きしめた。

藍子は泣いていなかった。
痛みはあったが、嬉しそうな喜びを感じる顔をしていた。

藍子- 「お父さん、藍子はお父さんの奥さんになりたい」

洋二- 「藍子はこれから誰にも渡さない、藍子はお父さんのものだ」

藍子- 「うれしい」

洋二- 「痛かっただろう?」

藍子- 「うん、思いっきり痛かった」
    「でも、うれしくてうれしくて」
    「全然、我慢できたよ」

洋二- 「そっか、えらいぞ」
    「軽くお風呂に入って、ご飯食べに行こうか」

藍子- 「うん、行く!」


二人はもう一度抱きあう、強く抱きしめた後、体を離した。
少し、ソファーに血がついていた。

藍子- 「きゃーっ」「恥ずかしい、血がついてる」

洋二- 「しょうがないよ、女の子は始めはこうなるんだよ」

藍子- 「お母さんもだったの?」

洋二- 「そうだったかも、、、、ね」


ソファーについた血をウェットティッシュでふき取り片づけした。
そして、二人とも外出するために一緒に風呂に入り着替えた。
暗い玄関に明かりをつけ外に出た。

藍子- 「お父さん、股が痛い」
    「あははは」

洋二- 「外で言うな!」「バカッ!」

藍子は洋二の腕にしがみつくように腕を組んで歩いた。
洋二の顔と藍子の顔は、誰に笑わされたのでもなく笑顔だった。
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