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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
大股でドスドスと足を踏み鳴らし、綾波と居る時には決してしないガサツな歩き方で美名はフロントに向かった。それだけ猛烈に、腹を立てていたのだ。
(――もう、頭に来た。大体、ウエディングの仕事をしてる人が何故、カップルが不幸になるに違いない、みたいな事を言うのよ!初対面の時にいきなりキスをして来たのも有り得ないし!
ひょっとしたらあれは夢か、幻覚?て思ったけど、間違いなく彼がした事よねっ!
何なの?
何なの?
何を考えて、あんな事を?
今だって私に何かしようとしたし……あ、あれじゃあ、只の痴漢じゃないの――!
抗議して、ここで式をするのを取り止めにしてやろうかしら!)
鼻息荒く、フロントのベルを"パアン!"と掌で押したまでは良かったが、強く力を込めすぎて激痛が走り思わず叫ぶ。
「い……いた――いっ」