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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
綾波は三広のサラサラな髪を長い指ですいていたが、突然その小さな頭をガシッと掴むと、大きく口を開けてがぶりと噛みついた。
「いっ――!」
綾波は、目を剥く三広に額を付けたままでニヤリと笑い額を思いきりぶつけると、唐突に彼を離して運転席に座り直し、乱れたシャツを整えた。
「い、いだだ、頭がジンジンするしおでこがズキズキするし……」
噛まれた頭と額を交互に擦りながら三広は涙目だった。
綾波は眼鏡を外してクロスで拭きながら事も無げに言う。
「そりゃそうだろ。噛み付かれてぶつけられたんだからな。痛くしてやったんだから痛いのは当たり前だ」