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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「え……で……でも……」
桃子の瞳の中に迷いが見え、由清は優しく紳士的な笑みを作りもうひと押しとばかりに言う。
「大丈夫……ちゃんと送るよ。俺も真理も暫く仕事の予定ないし……遅くなっても真理の運転で静岡まで乗せて貰えばいいよ。アイツもどうせ暇してるしいいだろ」
真理の名前を出した途端、桃子の表情に安堵の色が浮かぶのを見て由清は苦笑しながらスマホを取り出した。
「……もしもし?真理?……はいはい……悪かったよ……うんうん……そう、何とか解放されたんだね、良かったね……あ~はいはいそれはそれは申し訳ありませんでした――うんうん、奢ってやるから許せって……○○町のビル地下の店に居るから来れば?」
由清は真理と話しているらしい。寂しがりやの真理の事だ、きっとすっ飛んでくるだろう――桃子は安心したような残念なようなで複雑だった。