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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「今日の所はって……」
「さて……折角会えた事だし……ここで何か飲んで行こうか?」
由清は桃子の腰を抱いたままで階段の下に視線を落とす。既に夕方五時を過ぎているし、店も開いているだろう。
桃子がどうして東京に来たのか――恋人に会いに来たのだと推測は出来るが、何故一人で居たのか、そして何故あんな言葉を口走ったのか、二人の間に何かがあったのだろう――色々と気になる事はあるが、どんないきさつであれ思いがけず腕の中に収まった桃子を容易く離す気はなかった。