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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第1章 プロローグ
――剛さん……剛さん……こっちへ来て?ほら、真っ白で綺麗な貝殻……こんなの見たことない……
裸足の彼女が、目を輝かせ、手に何かを大事そうに握り締め、長い髪を風に膨らませながら駆けて来る。
危なっかしい足取りだなと思って見ていると、案の定、つまづいてよろめいた。
綾波は、彼女が駆けて来た時には、既にその華奢な身体を受け止めようと、走り出していた。
彼女は、腕の中へと倒れ込み、舌を出して笑う。
――全く、そそっかしい姫様だな……俺がいなけりゃ、どれだけ転ぶのか……
彼女は、瞳を愛くるしく潤ませ、彼を見つめた。
――居なく、なるの?
――阿呆。俺はもう……お前を置いていったりしない……
綾波は、ふっと笑って軽く彼女の頬をつねる。