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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第7章 揺れる夜

「マスター、おしぼりと、彼女に新しい飲み物を下さい……あ、俺もおかわりを」
由清は平然と、まるで予想していたかのようにハンカチを桃子に差し出した。
バーテンは直ぐに奥の厨房からやって来ておしぼりを二本差し出すとまた引っ込んだ。
丁寧にカウンターを拭き上げる由清を、桃子は彼のハンカチをキツく握り締めて見詰め、震えていた。
その表情は怒っている様にも、泣いている様にも見える。由清は刺すような視線を感じながらおしぼりを丁寧に畳み、隅に避けると桃子を振り返る。
桃子はビクリとし、ハンカチで顔を隠して呻くように言った。
「わ……私はどうせ……大人の女じゃ……ないもん」

