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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第7章 揺れる夜
三広はどうしているだろうか、とふと思う。
感情を一方的にぶつけた。ただ黙って桃子の言葉を聞いて唇を噛み締める彼に苛立ち、コップの水を浴びせようとした――
日比野が間に割って入って来なかったら、どうなっていただろう。
――私が三広君に浴びせた言葉も、しようとした事も、暴力じゃないの……?私……酷いことを……でも……どうしても自分を止められなかった……
桃子の目が涙でじんわりと盛り上がるのを見て、由清は指を伸ばして彼女の頬に触れた。
ポロリと零れた滴が彼の長い指を濡らすが、由清はその指を口に含み、呟く。
「塩辛いね……」