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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第3章 躾られたBEAST
何が起こったのか、わからなかった。
突然、背後から何かに引っ張られよろけ、悲鳴をあげる前に口を塞がれた。
口を塞ぐその手は知らぬ誰かの物だーー恐怖を覚えたその時、視界が急激に変化する。天井が見えた時、身体が一瞬跳ねてまた押さえ付けられた。
抵抗するも、強い力にはかなわない。
ソファの上に倒された美名の目に飛び込んで来たのは、優しげな顔立ちの、上品なスーツ姿の男だった。
優しい目に物憂げな色が見える。
美名の中に、懐かしい様な感情が沸いて戸惑う。
(……て、知る訳ないじゃないこんな人!……剛さん……早く、来て……!)
「む、……むむっ……ん――っん――っ」
(貴方は誰――!?何故、こんな事をするの?)
怒鳴りつけたいのに、もどかしい。
噛みついてやろうとした時、真っ直ぐに美名を見下ろしていた男は、口を塞いでいた手を離した。