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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第3章 躾られたBEAST
「――!?」
大きな疑問符が胸の中で一杯に溢れる寸前、再び唇を奪われた。
男はしなやかな肉食獣を思わせる。逃れようとしても、柔軟で機敏な動きで封じ込められ、狙われた獲物は程無く食い荒らされてしまうのだろう。
纏められた手首がじんじんと痺れ脚に力が入らない。
ただでさえ疲労が溜まっている。
間もなく、抵抗する力が尽きようとしていた。
「綺麗だ……やはり……君が、欲しい……」
瞼が鉛の様に重くなり、意識が飛びそうになっている。
心の中で綾波を呼びながら、美名は力が入らなくなりつつある指先で男の上着を掴む。
胸元に名札があるのに気付いた。その名は薄れ行く意識に刻まれる。
――誉(ほまれ)……貴方の、名前……なの?
そう言葉にする前に、美名は完全に意識を手放した。