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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第3章 躾られたBEAST
綾波も、お辞儀をしながら名刺を受けとった。
日比野は、柔和な笑みを綾波に向けたが、瞳の中にほんの一瞬だけ鈍い光が宿る。
「日比野……誉(ほまれ)……さん?」
綾波は、日比野の顔と名刺を交互に見くらべた。ある遠い記憶が過ったが、ひとり小さく首を振る。
(まさか……な)
「――はい、その字の通り両親が『この国の誉となるような人間になって欲しい』と、付けたらしいです。名前負けで、お恥ずかしいですが」
「いえ……素晴らしいです」
綾波は穏やかに笑った。