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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第9章 エピローグ

 耳元に降ってくるあたしの心を見透かしたような言葉に、はっとして顔をあげる。
 だけど、上手に説明できなかった。自分の中のもやもやとした寂しさや不安を、どういう言葉で表せばいいかわからない。

「……桜、散っちゃったなーって思って。もう春も終わりだね」
「そうだね、なんだか寂しいね」

 あたしは頷いた。柚留も同じような不安を感じたことはあるのかと、ふと思った。

「でもすぐにゴールデンウィークがくるよ? その次は夏休み。海も祭も一緒に行こうねっ?」
「うん」

 ことさら弾んだ柚留の声に、押されるようにしてそれだけを返す。

「秋も、冬もだよ? イベントがいっぱいだもん。大学生活はまだ始まったばかりだし、楽しいことがいっぱい待ってるよ! ーー一緒にいろんなことしようね」

 あたしの両手をぎゅっと握って柚留は笑った。昔から見てる癒し系の笑顔。
 その笑顔はいつも、あたしの精神安定剤になる。小さい頃から変わらず見せてくれている顔だった。
 ……ああ、あたしはなんてくだらないことを妄想して、一人で不安になってたんだろう。
 急にネガティブに陥っていた思考回路が、ポジティブな方に戻ってくる。
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