この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第9章 エピローグ

 入学式の日に満開だった桜はいつの間にか散っていた。もうすぐ五月になる。
 オレンジ色の夕日の下で、茶色くしなびた花びらが地面に残っていた。踏んでしまうのはちょっと胸が傷んだから、あたしはそれをよけて歩いた。

「……どうかした?」

 よたよたと、ふらついているように見えたらしい。隣から柚留が顔を覗きこんでくる。
 夕日で翳った柚留の顔をあたしも見つめ返した時。不意に襲ってきた寂しさに、あたしは何も言えなくなった。
 春が終わって季節が移り変わっていくように、柚留の気持ちもいつか移り変わっていってしまうのだろうか。
 あたしへの気持ちが冷めてしまったり、今回の勘違いのように別の人を好きになったり。

「まりねちゃん?」
「好き」
「え?」

 唐突な愛の告白に、柚留は一瞬目をしばたかせる。

「僕も、大好き」

 人目を気にするように周りを一度見回して、柚留はぎゅっと抱きしめてくれた。かぎなれた匂いと温かい胸の感触に、どうしようもないくらいに安堵する。
 思わずぎゅっと抱き返した。

「何か心配なことでもあった?」
/126ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ