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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第2章 不安の芽
ついつい笑みがこぼれる。
スマホ片手に、あたしの姿をキョロキョロと探してくれてたのかなぁと思うと、嬉しいし可愛いなぁと思ってしまう。
「はーいそこの二人ー、イチャイチャはお家(うち)でねー。体感温度、二度上昇! 空気が熱い!」
そう言って、手を顔の前でパタパタと振る詩織。
「イチャイチャなんてしてないっ」
とあたし。
柚留はというと、詩織の姿に一瞬ん? と首をかしげていた。
唐突に、その大きなタレ目を見開いて。
「あ、大崎さんかあ。一瞬誰かと思った。おはよー」
「おはよーゆずちゃん。髪染めて、初パーマかけてみました。似合う?」
くるくると人差し指に髪の毛を絡めて、詩織が問いかける。
「うん! 大人っぽくなるねー」
「本当はゆずちゃんみたいなユルフワなパーマにしたかったんだけど、あたしの髪質硬めだから、ちょーっとイメージと違うんだよねー」
「そう? でも綺麗だよ? ……てか、僕のはただの癖っ毛だけどね」