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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第2章 不安の芽
あたしは箸を置いて、キッと詩織を睨み付ける。
「ふふ、冗談よ。森永くんはずーっとまりねに夢中だったんだし、今さら他の女性になんてなびかないでしょ」
「……そ、そうかなっ」
「うーん、でも大学は高校よりも出会いの幅が広がるからなぁ。綺麗な子多いし」
「もー、どっちっ」
もやもやするー、やきもきするーっ。詩織の言葉に、あたしの気分は浮いたり沈んだり。
その時だった。
「あ、まりねちゃーん、やっと見つけたー」
隣からひょっこりと顔を覗かせたのは、あたしたちの話題の中心人物である柚留だった。
「……柚留」
「おはよう、まりねちゃん。連絡したけど反応ないから、どこにいるのかと思った。大学内は人がいっぱいだし、会えないかと思った」
しょぼんとした子犬みたいな顔で、そんな言葉は反則だよねーまったく。
「おはよー柚留。ごめんね、サイレントにして鞄に入れっぱなしだったの。てか家隣じゃん。会えないかもとか大袈裟だし」