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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第6章 真実を探れっ!
ぐいぐいと引っ張られる。詩織の力は強くて、あたしはずるずると、廊下を引きずられた。あっという間に教室のドアの前だ。
「……開けるよ? 二人の間に乱入して、一発ずつ殴ってやれ」
「そ、そんなこと……」
「もしあんたができないなら、あたしが代わりに殴ってくる」
詩織の横顔を見ると、睨むように教室を見据えていた。
詩織がそんなことを言ってくれるなんてと、胸が熱くなる。
思えば不器用すぎたあたしの恋愛をいつも本気で応援してくれたのは詩織だった。悩みもノロケも、笑いながら聞いてくれた。
あたしの柚留への想いを、一番理解してくれてるのは間違いなく詩織だ。
そうだ、うじうじ悩んで、肝心なところで逃げてちゃダメだ。
自分の恋愛なんだから、自分でけじめをつけなくちゃ。
「大丈夫、自分でちゃんと決着つけるよ」
あたしはドアに手を伸ばした。緊張で手が震える。
覚悟を決めて、ゆっくりと、開けた。