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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第6章 真実を探れっ!
「……もう、大丈夫。帰る」
なるべく冷静な声を意識して、それだけを絞り出すので精一杯だった。
「何言ってるの? 直接証拠をつきつけるチャンスよ?」
「……これ以上見たくないもん」
柚留が噂の女性と人気(ひとけ)のない場所で会う。
証拠なんてこれだけで充分じゃん。やっぱり柚留は浮気してたんだ……。
ーー柚留はあの人と、ここで何をする気だろう。
あたしの頭は無意識のうちにいかがわしい妄想をしていた。
そばで見つめあって。触れ合って。キスもして。あいつがあたしに向けてたような優しい眼差しをあの女性に向けて、好きって言うの?
目頭が熱くなる。
あたしの腕を握っていた詩織の指の力が、一瞬だけ弱まった気がした。だけどすぐにまたぎゅっと握られ、喝を入れるように一言。
「泣くなまりねっ! まだ取り返せる! 例え取り返せなくっても、ちゃんと現場抑えて、ゆずちゃんの口からきちんと説明させるまではあたしは納得しないし、許さない! 乗りこむよっ!」
「あ、ちょ……」