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ご主人様=ドSせんせい
第10章 不安☆雨に打たれて
ポツポツと雨が降ってきた。
今日の予報では雨が降るなんて言ってなかったので、私は傘を持っていなかった。
冷たい雨に打たれながら、先生を待っていると、急に私を打ちつけていた雨がやんだ。
上を見上げると差し出された傘。
せんせ…?
顔を見ると、心配そうに私を見る柊斗がいた。
「愛音ちゃん、ずぶ濡れだよ。このまま送っていくよ。」
「だめ。人を待ってるの。私の事は放っておいて!」
「こんな状態の愛音ちゃんを、置いていけるわけないだろっ!」
そう言って柊斗が私を抱き締めた。
「俺なら、愛音ちゃんを泣かせたりしない。こんな雨の中待たせたりしない。」
私の頬を伝う涙を雨が誤魔化してくれる。
「俺は泣かせたりしないから。大事にするから。俺と行こう。そんな奴、俺が忘れさせてあげるから。」
柊斗が私の顎を掴み上を向かせる。
このまま流されてしまってもいいの…?
先生…どうして来てくれないの?
瞳を閉じた私の頭には、榊原先生が浮かんだ。
「やっぱりダメ!!」
柊斗をドンと突き飛ばすと、後ろから大きな腕に抱き締められた。
「遅れてごめん…。」