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ご主人様=ドSせんせい
第12章 挫折☆翠川未来の事情
「何で俺がお前とキスしなきゃいけないんだ?話しはそれだけか?ないなら、帰るぞ。」
そう言った星夜に私は先日の事を話す。
「この前、保健室で神田愛音とキスしてたわね。どういう関係なわけ?」
星夜の顔がひきつった。
「お前には関係ない。」
そんな話をしていると、音楽室のドアが静かに開くのが見えた。
間違いないあの娘が見ている。
「ねぇ、星夜。今キスしてくれたら、神田愛音との事も内緒にするし、あなたにももう、関わらないわ。」
私がそう言うと、星夜は静かに瞳を閉じた。
私は星夜にキスをする。
その後、先日星夜が車で寝ている時に付けた首筋のキスマークに口づけた。
音楽室にすすり泣く声が聞こえる。
星夜が声を掛けると、神田愛音が泣きながら出てきて、私達を見ると教室を出ていった。
驚いて固まっていた星夜が、慌てて彼女を追おうとする。
そんな星夜の腕を私は、引っ張った。
「離せ!」
慌てる星夜を見て、星夜があの娘に本気になっているのがわかる。
だけど、あの娘は私には敵わない。
だって、私は星夜の初めての女なのだから。
その後も星夜に何度か話しかけたが、星夜の気持ちが変わる事はなかった。
「俺はもう、お前の事は愛していない!愛音に出逢ってなくても、お前とは愛し合う事はない。お前に捨てられた俺のあの日の気持ちは、わからないだろ?俺はすごく傷ついた。お前とは、終わってるんだ。もう俺に関わらないでくれ。」
そう言って走って音楽室を出た、星夜を窓から見る。
車に乗り込むとすごいスピードで走り出した。
いつしか降り始めた雨。
星夜の車が走っていくのを窓から私は、ジッと見つめていた。