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ご主人様=ドSせんせい
第21章 確執☆榊原家の事情
愛音がこの横にいる男に、あんな事をされて、これ以上逆らえば、俺ではなく愛音が何かされると確信した。
本当はこいつらを無視して、親父になど会うつもりもなかった。
でも、これは俺の問題であって愛音は関係のない事だ。
それなのに、愛音が巻き込まれる事は避けたかった。
とりあえず、こいつらの手前上、愛音に別れを告げる事にした。
素直な愛音の事だ、きっと俺に捨てられたと勘違いするに違いない。
“俺は必ずお前のとこに戻る。”
そういう意味で、愛音の首筋にキスマークを付けたんだ。
それなのに…。
泣いてすがる愛音の言葉が、俺の背中に突き刺さる。
本当は抱き締めて、お前だけだと安心させてやりたい!
そんな気持ちを振り切って、俺はあの部屋を出た。
愛音は今も俺を求めて泣いているのだろうか…?
愛音…。何度も言ったよな。
その赤い印は、俺の物である証だ。
その言葉をどうか、思い出して、俺を信じて待っていてくれ!