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ご主人様=ドSせんせい
第25章 執着☆諦めない女
「ふふふっ。そうね。もう何をやっても、無駄よね。私も分かってるわ。そんなバカじゃないもの。」
負けず嫌いな未来が、珍しく自分の敗北を認める。
「珍しいな。お前がそんなに簡単に諦めるなんて。」
「先日のコンサート観たわ。あんな堂々と熱愛宣言されたら、手も足も出ないわよ。」
フッと笑いながら、未来が長い髪をかきあげながら俺を見た。
「だから、今日で終わり。貴方にサヨナラを言いに来たのよ。」
「ふーん、サヨナラねぇー。」
「なーに?寂しかったりするわけ?」
「いいや、お前にサヨナラを言われるのは2度目だが、あの時と違って、2度目のサヨナラはこんなに嬉しいなんてな。皮肉な物だな。」
「ふふっ、とりあえず今日で最後、ワインでも飲んで乾杯しましょ。それくらいは、付き合ってくれるわよね?」
「あぁ、今日まで家にいろと言われた。それくらいなら、構わないさ。」
俺の言葉を聞いて、未来の右口角があがった。
今日で最後。
その言葉に俺は安心していた。
まさか、未来が最後に仕掛けてくるなんて、思わなかったからな。