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ご主人様=ドSせんせい
第35章 困惑☆滝澤柊斗の思い
一人席でニヤニヤとしていた私の頭がポンポンと叩かれた。
不思議に思い、後ろを見ると珈琲を持った眼鏡姿の先生がいた。
「おはようございます!朝からご機嫌ですね、神田さん。何か良い事でもあったんですか?」
周りに何人か他の生徒がいるため、真面目先生モードだ。
そんな先生は、昨日激しく愛し合った先生とは、まるで別人のよう。
何ヵ月たっても、この先生の二重の顔には戸惑いを感じる。
裏のドSな先生もいいけど、表の真面目で優しいオーラ全開の先生も好きだなぁ。
「花菜と柊斗が仲良くなれたらいいなって、思ってたんですよ。」
「おやおや、友達の恋に協力するなんて、神田さんも優しいんですね。二人が付き合ってくれれば、僕としても心配事が減るので、大歓迎なんですけどね。」
「えっ?」
「ふふっ、悪い虫がいなくなるのは、良い事ですからね。誰かさんのよそ見もなくなるでしょうし。ねっ?」
「…………っ!!!」
そう言って微笑む眼鏡越しの先生の瞳は、笑っていない。
未だにあの浮気の一件を引き摺っているなんて、先生も結構しつこい。
まぁ、私が悪いのだけど。
あの時の事をこうしてたまに持ち出しては、私を苛めるのが先生は楽しいようだった。