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ご主人様=ドSせんせい
第2章 出逢い☆音楽室の光景
今日は、午前中から苦手な数学の授業があり、憂鬱だ。
開いた窓から入る風が心地良い。
私は窓際の席なので、退屈な数学の授業を何となーく聞きながら、窓の外を眺めていた。
渡り廊下で繋がったちょうど反対側の校舎の教室から、優しいピアノの音色が風に乗って、微かに聴こえてくる。
『バダジェフスカの乙女の祈り。』
桜咲く柔らかな春の午前中によく似合う。
それにしても、なんて繊細で軽やかなタッチなんだろう。
誰が弾いているのだろうか。
瞳を凝らして遠くの音楽室を見た。
風に揺れるカーテンの奥に、何となくだが、人が見える。
男の人…?
茶色く長い前髪が、顔にかかっているが、細身で綺麗なシルエットが、こちらの教室からでも見えた。
なんて綺麗なんだろう…。
聴こえてくる音色と、それを奏でるその人の姿は、遠くから見ても妖艶で、私はいつしか向こうの教室のその光景に魅せられていた。