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ご主人様=ドSせんせい
第8章 罠☆キスマークの相手
「せんせー、それキスマークですよね?」
前列の女子がそう言うと、先生は私が先日付けた右手を握り、私の方を真っ直ぐに見て微笑む。
先生と瞳が合って私も恥ずかしくなって俯くと、さっきキスマークを指摘した女子が、信じられない事を続けて言った。
「先生の右首筋についてる赤いのは、キスマークですよね?」
えっ…???
首筋?
先日はそんなの付いてなかった。
私も先生の手首にしか付けてない。
誰がつけたの…?
先生が前髪をかきあげながら、天を仰ぎため息をついた。
「キスマーク?そんなの記憶にないんで、虫さされじゃないですか?」
涼しい顔してそう言った先生に皆がドッと笑った。
でも、私は騙されない。
さっきの先生のあの表情。
あれは絶対に、誰かにつけられたキスマークだ。
ずっとモヤモヤとしていた私だけど、その後先生が私を見る事は1度もなかった。